劇場への果てなき憧れ

劇場に行きたい。

生の舞台がそこにあるというのは勿論、

あの非現実的な空間が好きなのだと

ライブ配信観劇を終えて感じる。

 

「好きな劇場は?」と聞かれたとき、

「シアターオーブ」といつも答えている。

(今回は見やすさは脇に置いておく)

 

渋谷の雑踏の中にそびえ立つヒカリエ。

その最上階の非現実。

【摩天楼】という言葉がよく似合う。

 

ガラスに映る煌びやかな渋谷の街。

大きな舞台。スーツを着た劇場スタッフさん。

幕間に突如現れるBar。お酒を飲む大人たち。

まだ成人もしていない

上京したての私にとって、

全てが刺激的だった。

 

首都圏出身の人に言うと

驚かれることもあるが、

田舎には【劇場】が無い。

 

県民会館とか市民会館とか町民会館……

そんな場所でアマチュア劇団や

地方公演を観劇してきた田舎者にとって

【劇場】という響きは甘美なものだ。

ずっと憧れていた。

 

チケットも意味もなく、

1人で渋谷に居ると

オーブの前まで行ってしまう。

 

快速エレベータに乗って、

オーブを見つめてその先を想像して、

フライヤーを貰い、渋谷を見下ろす。

それだけで満足できる。

安上がりな人間ね笑