「はいからさんが通る」を観劇した方に、太宰治「女生徒」のススメ
きっと、宝塚版「はいからさんが通る」
観劇前の予習として
皆さん原作の漫画「はいからさんが通る」は 履修してると思うんです。
じゃあ次は「女学生」について
履修してみませんか?という、お誘いです。
今回の商品は
【太宰治の「女生徒」】
お値段なんと0円!!
太宰は没後111年。
ありがたいことに(?)
著作権が切れているので、
青空文庫(無料)に作品が出ています。
以下、リンク↓↓
ただ、ルビが付くと字が小さくなるところが
難点でちょっと読みにくいので、
文庫本を推奨したいな……。
文庫も、お値段数百円!!
太宰一冊持ってるだけで「分かってる人」
っぽいから本棚のファッションアイテムとして
持っとくのもありだと思うんです笑
これは「女性独白体小説」
っていうジャンルになります。
つまり、太宰が女学生のふりして書いてる。
キモいと言われれば、それまでなんだけど、
太宰って女心を書くの上手いんだよね……
不思議。
この小説は、女学生からの
ファンレターが元ネタになっている
ということを抜きにしても
傑作ではないでしょうか?
太宰は「人間失格」のイメージが
独り歩きしているせいか、
良いイメージがないわ。って方が
沢山いらっしゃると思います。
それ、勿体ないですよ!
思い出してみてください。
教科書に載ってた「富嶽百景」。
あれ、そんなに重くなかったでしょう!!
「富士には月見草がよく似合う」
覚えてませんか?
実は、太宰色々残してるんです。
「女生徒」で私が好きな一文は
【「自分は、ポオズをつくりすぎて、ポオズに引きずられている嘘つきの化けものだ」なんて言って、これがまた、一つのポオズなのだから、動きがとれない。】
ここ読んだとき、なんか私ショックを受けて。
生きていく上での色々な葛藤を言語化したら、
まさにこれだなと思い、
言い当てられた感じがしたんです。
自由恋愛をする!!というポオズを貫き、
忍さんは紅緒の婚約者だった
という悲しみは隠し、
自立した女性のポオズをとるために
蘭丸と杯を交わす……
あの日の夜の環の心情も、
こんな感じだったんじゃないかなあなんて。
環はもっと強い女性かもしれないけれど。
満洲まで行っちゃうくらいですからね。
モダンガールズが、たとえポオズだとしても
その形に憧れてしまう。